この授業は、ペンシルベニア大学のMBAコースであるウォートン校から配信された授業です。
1.授業概要
授業名 | 生産管理入門 |
---|---|
MOOCの種類 | Coursera |
大学 | ペンシルベニア大学ウォートン校 |
QS大学ランキング・総合 | 14位 |
FT世界MBAランキング | 4位 |
教授 | Christian Terwiesch 氏 |
合格ライン | 60% |
優秀ライン | 90% |
成績 | 70.1% |
開講期間 | 2014年3月3日〜5月14日 |
Verified Certification | 有り |
必要なバックグラウンド | 高校程度の数学の知識 |
You Tubeの動画もあります。
2.MOOCsをキャリアアップに利用したい
この授業を受けようと思ったのは、MBA(経営学修士)の授業を修了すれば、自分自身のキャリアアップに繋げることが出来るのではないかと考えたからです。
MBAといえば、多くの場合ビジネスパーソンがキャリアアップのために取得する経営学に関する学位です。MBAを取得された方は、身に付けた知識を活かして仕事をバリバリとこなし、高い収入を得ているとよく聞きます。そのようなMBAの授業を取ることは、MOOCsを自分のキャリアアップに有効活用する方法の1つだと思いました。
ペンシルベニア大学ウォートン校は、Coursera上で「生産管理入門」、「マーケティング入門」、「財務会計学入門」及び「企業金融入門」という4つの授業をシリーズとして配信しているようです。どれも難しそうなテーマでしたが、入門編であれば僕でも何とか修了できるのではないかと考え、この4つの授業を全て受けることを決め、最初に受講開始を迎えた「生産管理入門」を受け始めました。
3.学術面と実践面の2つの評価プロセス
この授業は、学術的な課題の他に、実務家向けの課題も用意されていました。
学術的な課題は、動画で講義を受けて毎週宿題を提出することと、最後に試験を受けることというものでした。この点は、他の授業とほぼ同じものです。
実務家向けの課題は、COP(Coursera Operations Project)という方法で取り組むものでした。このCOPとは、回答が受講者によって異なる課題(例えば、自分なりの考えを回答するような場合)について、同じ授業を受ける者同士で互いの課題を評価し合うというものです。MOOCsは、Massive Open Online courses(大規模公開オンライン授業)というだけあって、1つの授業を数万人が受けることもあります。何万人もの課題を全て担当教授やそのアシスタントの方だけで評価することは不可能ですので、受講生同士に課題を評価させるという方法を採っています(この学生同士の評価結果は、概ね正確なのだそうです。)。評価の偏りを防ぐという目的と思われますが、1人が提出した課題に対して他の複数の受講者が評価する仕組みのようです。他方で、受講生は自分以外の受講生複数人分の課題を採点することになります。
学術的な課題と実務的な課題は選択でき、どちらか一方を選んでも、両方を選んでも良いというものでした。学術的な課題を達成すると「Ops Academic Certificate」が、実務的な課題を達成すると「Ops Practitioner Certificate」が、両方の課題をクリアすると「Ops Master Certificate」が与えられます。
僕は、生産管理の仕事には携わったことが無かったものの、何とかこの実務的な課題も修了できないかと考え、とりあえず課題に取り組んでみました。しかし、課題の内容は「今自分が勤める会社または経営する事業において、生産活動の問題点を洗い出すこと」(うろ覚えですが、確かこんな感じでした。)というものでした。実務家ではない人間には到底回答できるものではありませんでしたので、あえなく断念しました。
4.授業はケーススタディで行われる
こうして、学術的な課題のみに挑戦することにしたのですが、その授業はサンドイッチ店のサブウェイやトヨタ自動車を例に出して、生産性向上の工夫や取り組みについてケーススタディをするというものでした。
例えば、サブウェイのケースでは、注文を聞く→パンを焼く→お客さんの注文に応じた具を挟む→会計というプロセスが採られており、どの作業にどれだけの工数がかかりどうしたらこのプロセスを最も効率的にできるかというようなテーマで講義がなされました。
また、数学的な要素の強い分野ですので、数式やグラフを用いての授業が多かったです。必要なバックグラウンドは「高校程度の数学」とありましたが、僕は下図のものをやった記憶が全くありませんでした。
宿題は、毎週提出しなくてはなりませんでした。事例形式が中心で、選択肢から回答を選ぶよりは、計算した数値を答える設問が多かったです。当てずっぽうすらできませんでした。
Courseraの授業のページ上に、毎週の宿題向けに授業内容をまとめた動画までアップされるという手厚い対応がとられていました。ペンシルベニア大学とこの教授がMOOCsに情熱を傾けていることが伝わってきました。
5.修了したが、やはり数学は苦手
何とか修了はできたものの、60%以上の得点率が合格条件のところ70.1%の得点率と、やっとのことで及第点をとることが出来たという感じでした。理解は十分とはいえず、もう一度同じ授業を受け直す必要があるというのが正直な感想です。得点率が低かった大きな原因は、もともと数学が苦手だったことにあります。
ただ、授業の内容はとても面白いものでした。何より、実用性が高い内容でしたので、MOOCsをビジネスパーソンとしてのキャリアアップに役立てられることは確かだと思います。僕は、生産管理部門があるメーカー勤務ですので、基本的なことを学んだことがあるという経験が、いつか役立てられる日が来るかもしれません。
生産管理に携わられている実務家・専門家の方には、是非とも学術・実務の両面を修了し、「Ops Master Certificate」の成績を獲得されることをお勧めします。
6.授業を受ける負担と修了証明書取得の嬉しさ
生産管理は、全く知らない分野の授業でしたので、毎週の講義や宿題をクリアしていくのはとても大変でした。当然、1度講義を聞くだけでは理解できず、何度も繰り返し動画を見ていました。また、宿題も答えが合わないことが続き、翌日会社があっても夜中の1時や2時まで取り組むということも度々ありました。
さらに、「起業のための第一歩」という授業も同時並行で取り組んでいました。負担が大きく、このころはプライベートで遊びに行くということがほとんど出来ませんでした。ただ、「名門大学MBAの授業を絶対に修了するんだ!」という気持ちで乗り切っていました。
成績は良いとは言えませんでしたが、修了証明書(Verified Certificates)を手にしたときは、とても嬉しかったことを覚えています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
良かったら、この記事をシェアしていただけると、とても嬉しいです。宜しくお願いします。
コメント